ウイスキーテイスティング実践1 - 色

グラスにウイスキーが注がれたら、光にかざして色をみます。
このときに、赤や黄色といった色味だけでなく、濁りの有無といった透明度も確認しましょう。
ウイスキーは一般的に琥珀色といいますが、実は辞書によっても琥珀の色の解釈はさまざまで、黄色や黄褐色を示しているのもあれば、赤色や褐色までをも示しているものもあります。
ただ、さまざまなウイスキーの色を見れば分かるとおり、どうやらウイスキーの色は、金色や黄色に近いものと、褐色に近いもの、そして赤褐色に近いものに分類できそうです。

ウイスキーテイスティング実践2 - 香り

次に香り。
リラックスして、大きくゆっくりと香りをかぎます。
ここで肝心なのが、あまり鼻を近づけすぎないことです。
揮発アルコールに鼻をやられ、初っ端から匂いがわからなくなります。

香りの表現は非常に難しいですが、ノージングサークルを参考に自分なりの表現をしてみるとよいでしょう。
ウイスキーの香りは、花や果物、また木々の匂いに例えられます。
ただ、ウイスキーの香りは1つだけで表現できるものではなく、幾重にも色々な香りが重なって、複雑な芳香を醸しだしています。
香りをかいで想像を膨らましてみましょう。

ウイスキーテイスティング実践3 - 味

味わいを感じるには、まず最初に口に含んだときの舌で感じる味を探り、次にのどや口に広がる質感を感じ、最後に飲み込んだあとの後味(フィニッシュ)を感じる ・・・ というように、時間軸にそって吟味するのがいいでしょう。
甘い, 辛い, 酸っぱいなどといった味覚だけでなく、とろとろした, ピリピリした ・・・ などという、舌やのどで感じる表現も加えることで正確な表現に近づきます。
そして香りと同様、フィニッシュの印象をまとめます。

ウイスキーテイスティング実践4 - 加水

次は、加水してテイスティングしてみましょう。
実は、テイスティングの一連の流れのなかで、加水してからが一番の重要なのです。
水はプリズムといわれ、アルコールの刺激で判りづらかったものが開放され、いろんな香りや味がハッキリと輪郭を現します。

ストレートでザッと外郭を掴み、今度は加水してじっくり詳細に分析していきます。

加える水の量は、ウイスキーの量に対して 1:0.6 ~ 1:1 が適量といわれています。
水道水は次亜塩素酸(カルキ)が邪魔をしますので、ミネラルウォーターを使用します。
ここで硬水か軟水か意見が分かれますが、シングルモルト倶楽部では、味を鑑定する際には軟水が適していると考えます。
日本人はもともと軟水の土壌で育っているので、味覚が邪魔をされにくいとの考えからです。
スコットランド地方の硬度の水は、その土地で飲まれていることを思い偲びながら情緒を楽しむ場合に適していると考えます。

加水はハイボールのバロメーター

水を加えると若干の渋みや苦味が増すウイスキーがあります。
バランスが崩れ苦味や渋みが突出するのです。
これは、ロックやハイボールにしてもバランスが保てるか?のバロメーターにもなります。

加水して、渋みや苦味を顕著に感じバランスが崩れる現象は、よほどの味音痴でなければ、初めて参加した人でも容易に感じ取ることができます。
初めてウイスキーを鑑定できた瞬間です。
飲みやすくするために水割り!と思ってきた方など、目的やシーンによってハイボール, 水割り, ロック, ストレートを使い分けることを銘柄別に知れた瞬間でもありますから目から鱗です。

昼間っからストレートもいいのですが、ポカポカ陽気でピクニックなどハイボールのウイスキーを選択する際、その知識をご利用なさってはいかがでしょう。
手前味噌ですが、ブログでアウトドアでハイボールの記事を書いた事があります。
参考にしてください。